普段は絶対に諦めないと心に決めているけど、あの時は本当にもうダメだ…と考えた。
契約先の仕事が終わった帰りの満員電車の中。
つり革に掴まりながら、ふと「もし今、自己破産したら楽になるんじゃないか?」とどこからともなく、考えた。
「不安が恐怖に変わる経験は、これで人生二度目だな…」。
その瞬間、僕は恐怖に包まれて、まったく身動きができなくなったのだ。
人は恐怖に支配されると動けなくなる。
これは、前回、僕が身をもって経験して学んだことだった。
だが、僅かそれから数年後に再びこの恐怖に支配されることになるとは…。
でも、今回は違った。
ちょうど下車駅に着くころには、僕の気持ちの切替えは既にできていたから。
自分だけであれば、いいのかも知れない。
でも、今の僕には守るべき人がいる。
これ以上親父には迷惑かけられないし、家内を泣かすようなこともできないのだ。
こう自分に叱咤して何とか自分の心を持ち直した。
それからの僕は速かった。
素早く心の平静を取り戻すと、当面の解決策を列挙していった。
そして、それらを一つずつ実際の行動計画に落とし込んでいったのだ。
悩んだら、とにかく動く!これに尽きるかと。
悩んでいる間は何も行動しないから、当然現状維持か、もしくはマイナスだ。
だから、悩みながらもとにかく手を、頭を動かし続けることがスランプ脱出の極意でもあるのだ。
転ばないと決めたから、転ばないんだ
実は、僕はかなり前から信じていることがあるんだ。
それは、人生は決めることから動き出すということなんだ。
単身赴任していた札幌時代のこと、冬になると道で滑って転ぶことがよくあった。お酒を飲んだ帰り道で大きく滑ってしまって、その時は運悪く後頭部から地面に転がったんだ。
一瞬のことで何がなんだかわからなくて、頭にキズや痛みもなかったのが幸いだったけれど、後で思い出すと怖くて仕方がなかったよね。
だって、もしかすると今頃はあの世行きか、病院のベッドで動けなくなっていたかもしれないからね。
その時、決心したんだ。「もう絶対に転ばない!!」とね。
人は決めると変われるんだよね。それ以降、一回も雪道では転ばなくなったからね。
人生はロングテールでいくのがいい
もう一つ、僕自身が諦めないために大事にしていることが、結果を焦らないってことなんだ。
無理はできない歳だと知る
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