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僕が勘違い起業で経験した、起業前シンドローム現象の話

投稿日:2019年7月1日 更新日:

今日のテーマは、「僕が勘違い起業で経験した、起業前シンドローム現象の話」だ

あなたは起業前シンドローム現象という言葉をご存じだろうか。

きっと初耳だと思うが、実はこれは僕が勝手に言っている言葉なんだ(笑)

では、僕が経験した話を披露させていただこう。

■起業前の準備期間はハネムーン状態

僕は、料理教室のコンサルで起業すると早くから決めていたんだ。

起業前の会社員最後の時代は、札幌に単身赴任していたけど、当時勤めていた会社の事業譲渡に伴い、M&A先の会社へ事業を移管する業務を札幌で行っていたんだよね。

これが半年間の予定だったのだけど、譲渡先の会社が東京であったために毎月数回は、東京に戻ってもいた。

なので、これ幸いにこの期間に起業準備も進めていたんだ。

具体的には、料理教室のコンサルを行うにあたって最初に取組む内容も決めていたし、それに伴う人、場所、モノはすべて決まってもいた。

それ故、起業した翌月にはすぐに最初の売上をあげることができたんだよね。

と、同時に次の手も打ってあったんだ。

実は、料理教室という業界はすでに多くのライバルが存在し、資本力に勝る大手企業が上位を占めていて、いわゆる寡占化が進んでいる業界なんだ。

しかも、誰でも簡単に参入することができる非常に珍しい業界でもある。

一例だけど、僕がこれまで数多くかかわってきた飲食店の場合、店舗を開業するには保健所の営業許可が必要になる。

当然、調理師免許か、それに代わる資格が必要だ。

さらには、厨房の設置規格や設備などが細かく決められているし、一定規模以上の施設になれば消防関係の基準もクリアしなければならない。

これは、扱うものがお菓子やパンに変わっても同じ。

だけど、同じ食品を扱うにもかかわらず、料理教室にはこれらの許認可や資格がまったく必要ないんだよね。

なので、当時のサロネーゼブームもあり、自宅キッチンで料理教室をはじめる主婦の方が多く、ママ起業ブームの一翼を担っている業界でもあったんだ。

このような業界でライバルが参入しにくい分野を自分なりに見つけていたので、そこで勝負する目論見でいたんだ。

それは、認知症予防という社会性のあるテーマを扱うこと。

この分野は市場性から見るとまだ導入期にあたり、事業としての取組みが非常に難しいため、特に現状の大手企業は参入しづらい状況だと踏んでいたんだよね。

事実、大手企業には現時点でも積極的に取り組む動きは起きていないからね。

反面、個人レベルでは対象となる顧客を絞り込むことが難しいため、これまた参入が難しいとも考えていた。

そこで、私が目を付けたのが「人」。

起業前のリサーチ段階でこの分野での実績がある人を見つけて、個人的にコンタクトをとってみたところ、僕ジョイントすることに悪くない感触を得ていたため、この人を基軸として事業化を進めようと考えていたんだ。

そして、この事業は、その性質上からも民間主導ではなく、行政主導での事業になるものとも考えていた。

なので、この点でも行政に対する実績を十分に持っている方であったために可能性は高いと踏んでいたんだ。

起業早々に行政機関との取引ができれば、信用度も向上し、その後の展開にも弾みがつくだけではなく、キャッシュフローの安定も望める。

僕としては、ある意味イケイケ状態の起業前シンドローム現象に陥っていたのも無理はなかったよね。

起業前シンドロームって、人生に例えばまさにハネムーン状態と言えば、あなたにも共感いただけるだろうか(笑)

誰でも、ハネムーンに行くときは舞い上がっちゃうよね。

まさに、そういった状態であったんだ、僕も。

そして、これが僕の最初の失敗であったにもかかわらず、そのことにまったく気づかずに完全に勘違いしてしまったんだ…。

■死角に気づかない心理状態

つまり、僕が陥ってしまった罠とは、死角に気づかなかったということなんだ。

そして、そこから迷走がはじまり、実に半年間もまともな売上がない状況に陥ってしまい、パニックになってしまった。

結果として、この施策は完全に失敗に終わってしまった…。

あてにしていたその人が、急遽行政機関の研究員に専業することになり、僕とのコラボができなくなってしまったんだよね。

その人にとっても寝耳に水の話であったようで、急な欠員により、昔の上司から懇願されたとのことだったけど、その真偽は定かではない…。

しかし、僕の失敗はそういったことを想定してとっておくべきリスクヘッジをまったくとっていなかったことがすべてだった。

慌てて他の人を探したけれども、急に見つかるはずもなく、それからしばらくこのプロジェクトは迷走をはじめてしまった。

起業=新規事業をスタートすることなので、失敗するのが当たり前という認識の上で最大限のリスクヘッジをすることが、新規事業開発における鉄則だ。

しかも、母体がある程度しっかりとしている会社員時代と比較して、個人での起業はまったく未知のことばかりで、土台も極めて脆弱だから、さらにリスクは大きい。

それにも拘らず、この失態…。

僕にとって起業するということは人生における大きな夢であり、ロマンだったからね。

テンションが上がってしまって正常な判断ができなかったんだと今では分析できるけど…。

これが、僕の経験した起業前シンドローム現象だ。

想像してみて欲しい。

あなたは今まさに起業直前で、起業後の自分の活躍する姿をイメージして自信満々の状態だ。

とにかく今すぐに飛び出していきたい!そんな興奮状態にもある。

普段は冷静沈着で慎重に物事を判断するあなたでも、起業前シンドローム現象の状態ではおそらく通常の半分くらいの判断力しか持たないのではないだろうか?

僕の場合のように、希望的観測ですべてを進めていってしまい、とるべきリスクヘッジもしていないような状況に知らず知らずの内に陥ってしまう起業前シンドローム現象には、十分に注意して欲しい。

天国から地獄へとは、まさにこのことではないだろうか。

だけど、僕が経験したことは、誰にでも起こる可能性が大きいことでもあるはず。

結局、僕は起業当初のこの失敗が後々まで尾を引いてしまい、あえて失速してしまったのだ。

まぁ、今となっては笑い話でできるようになったから、いいけどね^^

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